6月
18
2015

地震時のエレベーターについて

  • その他

 

お久しぶりです。大木研究会3期生の齊藤真梨乃です。

私たちの研究会では毎週の授業のはじまりに2名が防災に関連する興味を持ったニュースについて簡単な発表をし、情報共有を行っています。先日、私自身もニュース発表をしましたので、今回のブログではそのときの内容について書いてみたいと思います。

 

私は「地震時のエレベーターについて」というテーマで発表を行いました。

 

先月5月30日の小笠原諸島沖で発生したマグニチュード8.1の地震は、神奈川県二宮町で最大震度5強を記録したり、他にも関東の広範囲で震度4の揺れが確認されたりした、規模の大きい地震でした。

その際、首都圏の高層ビルやマンションを中心に約1万9千台のエレベーターが緊急停止し、東京、神奈川、埼玉、茨城の1都3県の14台で利用者が一時閉じ込められていたそうです。

実際に、東京都港区の六本木ヒルズ森タワーでは非常用を含む計9基のエレベーターが停止し、展望階フロアに数百人が取り残されたといいます。建物を管理する森ビルはエレベーター復旧まで待機を指示し、全員の避難まで約2時間を要したそうです。

 

もともとエレベーターには地震探知装置の設置が義務付けられており、震度4程度の揺れを感知すると緊急停止するようになっており、可能な場合は自動的に最寄り階に止まりますが、揺れを感知した位置などによっては途中で停止してしまい、利用者が閉じ込められることがあるそうです。

 

国土交通省などの資料によると、南関東には約23万台のエレベーターがあり、そのうち約7割で地震の際に最寄りの階に自動的に停止する「地震時管制運転装置」が設置されているそうです。

 

今回の地震の際も、一定の揺れを感知すると止まるように設計されたこの「地震時管制運転装置」が正常に作動したことから、緊急停止したので、災害対策が正常に機能したと評価できるそうです。

 

一方で、震度6を超えるさらなる大地震ではより多く、長時間にわたるエレベーターの停止が起こると考えられ、今回の地震ではエレベーター内に閉じ込められた事例は14件のみでしたが、もっと多くのこういった事態が生じると考えられます。

 

政府の中央防災会議が2013年にまとめた報告書によると、南海トラフ巨大地震では最大約4万台のエレベーターで約2万3千人が、首都直下地震では最大約3万台で約1万7千人が閉じ込められる可能性があるとされているとのことです。場合によっては道路網の寸断などによりエレベーターの復旧が遅れたり、停電で使用不可になったりすることも想定されます。

 



基本的には、エレベーターの扉は内部からは開けられないので、業者の救助を待つ必要があり、最悪の場合それを待っている間にそのビルで火災が発生して命を落とす危険すらあるなと考えると、非常に怖いと感じました。

 

こういうとき、”高層ビルであっても、階段で下りればいいのではないか”、と考えがちですが、仮にそうした場合には転倒事故が起こる恐れがあることに加え、高齢者や妊婦など体力的に不安がある人、さらに、障害を持つ人が利用して避難することは難しいなということも感じました。

そうしたことからも、エレベーターの早期の復旧は不可欠ですが、現状では一定程度の時間を要することが予測されています。

理由としては、エレベーターが地震の揺れを感知して緊急停止した場合、専門の技術者が安全確認をして運転を再開させる必要があることに加え、技術者を派遣する優先順位が決まっているからです。具体的には、①閉じ込め事案が発生した建物→②病院→③官公庁→④高層階に集客施設があるビルなどの順となっているそうです。

スクリーンショット 2016-01-07 22.54.43

(一般社団法人 日本エレベーター協会より)

 

現在の課題として、復旧までの時間をさらに減らすには人員を増やすということになりますが、民間のエレベーター管理会社などの技術者の数には限度があるということです。

そのため、エレベーター内で安全に待っていることができるよう、対策として、より多くのエレベーター内に飲料水や簡易トイレを備蓄することを実践していくべきだと思いました。

 

また、特にマンション内においてはエレベーターが止まると高層階まで物資を運べなくなるため、各階に飲料水や食料、簡易トイレを備蓄しておくこと、住民自身が常日頃から備蓄や防災グッズの持ち運び等、様々な対策をしておくことが必要だと改めて感じました。

 

何より、万が一エレベーター内で被災したときにどんな対応をするべきか、という正しい知識をより多くの人が持てるよう、伝えることの必要性を感じました。

 

長くなりましたが、最後まで読んでくださり誠にありがとうございました。

今後とも宜しくお願い致します。

 

齊藤真梨乃

文責

齊藤真梨乃

参加者

大木研究会メンバー