大雨の授業(早めの避難編)
《概要》
「大雨の授業」(早めの避難編)は、①大雨の時にはどのような判断を迫られるのか体験すること、その上で、②早めに避難することの大切さを実感することを目的においた授業です。水害の被害想定がある地域でご活用いただけます。
この授業で行う意思決定には模範解答がありません。授業を通して子どもたちにも先生方にも、「今考えられる中で一番良いと思える判断を積み重ねていく練習」をしていただければと思います。
※本コンテンツは、小学校高学年以上の児童を想定した教材です。
《教材の構成と授業の流れ》
本教材は、場面設定の0コマ目、次第に状況が悪化していく1〜4コマ目、結末が描かれている5コマ目で構成されています。
児童・生徒は1〜4コマ目において1コマずつ、
1)描かれている状況を確認し、
2)「避難をするのか・しないのか」判断を行い、
3)その判断の内容を理由を含めて発表します。
この過程を通して「大雨の時に避難する・しない」を判断する疑似体験ができます。
結末の5コマ目は3種類あります。
雨は止んで事なきを得たケース、床上浸水したケース、天井まで浸水して命の危険が危ぶまれるケースです。
これらは一枚ずつ判断を聞くのではなく、3枚を同時に見せます。
各コマに描かれている状況を見比べた上で、
5コマ目のどのケースにもたどり着くことがありえる、ということを児童・生徒に伝えてください。
そして授業の最後に、
どの段階でどのような判断をすればよかったのか、
また、今からどのような準備をしておくとよいのか、を話し合います。
《授業のポイント》
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各コマにおいて、イラストから気づいてほしいこと・予想される判断の例を、スライドのノート欄に記載してあります。ご活用ください。
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授業の冒頭で、避難準備情報・避難勧告・避難指示の違いを確認する必要があります。
肝付町のホームページにわかりやすくまとめられています。
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避難時の服装などについてはNHK そなえる防災:避難時の心得にわかりやすいです。
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浸水時、人が歩ける水の深さは膝の高さまでと言われています。NHK そなえる防災:命に関わる!水の力と動きを参考にしてください。
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「『逃げなかった住民』は、避難するという意思決定をしたわけでもなく、避難しないという決定をしたわけでもなく、決定をしないまま時を過ごしてしまっただけではないか。」
群馬大学の片田先生の言葉です。
(引用元:土木学会 Web版 「行動する技術者たち」 【第12回 逃げない人を逃がすには】)
この授業を通して、「早めの避難」が大切であることを頭で理解するだけでなく、その難しさを踏まえた上で今からできる準備を考えていただきたいです。
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板書計画は以下の様に、時系列の流れを示しつつ、今取り組んでいるコマをテレビなどに大きく映し出すとよいと思います。