高台からのぞむ南三陸町の光景.学生たちの目には何が映っているのでしょうか.
こんにちは.大木聖子です.研究会を開始して半年,学生たちを初めて東北に連れて行きました.私は気仙沼に用事があったため,一足先に現地入りしていました.学生たちには「仙台駅にバスを用意しておくので,この小学校とこの中学校,この施設を見学して夕方までに気仙沼にいらっしゃい」と告げて,現地合流としました. 夏休みに入って,「なぜこの小学校を見学するのか考えてごらん」と担当を割振り,事前学習を促しました.担当した学生は出発前までに,その場所の被災状況,3月11日に何があったところなのか等の資料をまとめ,他の学生と共有します.行きの新幹線でも予習してきたみたいです.
このブログではしばらく,東北巡検で訪問した場所を学生たちが振り返って掲載していくことにします.巡検を終えて,学生たちはずいぶんと変わりました.もともとやる気のあふれる素直な学生たちが多く集まった研究会でしたが,東北から帰った後は珍しくしょんぼりしていました.ある学生の言ったこの言葉が当時の彼らをよく表現しています.「他の研究会の友だちは,東北に行って元気もらって帰ってきた,って言う.でも私たちは違う.どん底まで沈んだ気がします」自然現象の圧倒的な力を目の当たりにして,自分たちがこれから取り組む問題の大きさと重大さを理解したのかも知れません.
この研究会に所属するのは,一度どん底の無力感を味わってから改めて防災に取り組もうと決心した学生たちと,それに共感した新期生たちです.その想いを存分に発揮できる環境と知見を提供しながら,自然災害による犠牲者ゼロを目指してこれからも取り組んで参ります. 最後に,東北巡検にご協力くださいました皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます.仙台から学生を引率してくださった仙台南高校の吉田拓郎先生,三桜高校の大沼恵美子先生,丁寧なご案内・解説をしてくださった佐浦酒造の佐浦弘一様,佐藤公治先生,佐藤かつらさん,只野英昭さん,佐藤和隆さん,佐藤敏郎先生,小斎誠進さんはじめ皆様,本当にありがとうございました.