こんにちは!大木研究室の日向です。
11月13日は、霞ケ関西小学校で5年生を対象に行われた理科の授業を見学させていただきました。
小学校では2020年度から新学習指導要領が導入され、教科横断的なカリキュラムが求められるようになります(文部科学省,2018)。
防災教育についても同様で、今後は総合の時間だけでなく、教科の中にも防災の要素を取り入れていく必要があります。
一方で、学校現場からは、「防災教育を教科の中にどのように位置付けるのかが分からない」などといった声も聞こえてきます。
そこで霞ケ関西小学校は、2020年度以降のカリキュラムを見据えて、理科の授業に防災の要素を組み込むという新たな取り組みを行うこととなりました。
今回の授業のテーマは、「流れる水によっておきる自然災害について学ぶ」です。
この単元を学習しながら、自然災害による被害を軽減するための方法について考えてもらうという狙いがあります。
子供達は、自然災害を防ぐための工夫について教科書などで調べた後、川越市内にある川の写真を見ながら、実際にどのような工夫が施されているのかを確認していました。
自分たちに馴染みのある場所の写真を使ったからこそ、教科書で知識を得るだけではなく、さらに深く掘り下げて考えることができていました。
また、対策をはるかに凌駕するような災害が起きた時に、どのように行動するかを考えてもらったところ、子供達なりに自分にできることを一生懸命考えている様子が見られました。
授業後は、授業を担当した教員と見学者(大木研及び他校の教員)が集まり、授業の振り返りを行いました。
私が非常に印象的だったのは、教育委員会のある方の以下のコメントです。
「どの教科で、どの内容をどこまで教えるかを考えていく必要がある。教科の内容から逸脱しすぎず、各教科の住み分けを踏まえたカリキュラムが求められる。」
「教科の中に防災を位置付ける」というのは、単に防災の内容を扱うということではなく、その教科ならではの視点を大事にしつつ、防災に繋げていくことなのだと気付かされました。
貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました!
写真:授業当日の板書