公治先生のご講演
- 齋藤文・田上瞬
- 2016年3月12日
- 読了時間: 3分
本日のブログは齋藤と田上が担当します.
東北巡検2日目は南三陸町にあるホテル観洋に泊まりました. この日は南三陸町立志津川中学校の佐藤公治先生にお越しいただき夕飯をご一緒しました.

公治先生は震災当時,歌津中学校で防災主任をされていました. 歌津中学校は震災後に,全校生徒からなる「歌津中学校少年防災クラブ」を発足し,総合的な学習の時間等を使った防災教育の推進に取り組んでいます. その取り組みを始めた第一人者が公治先生なのです.
公治先生からは夕食後に震災当時の町の様子や生徒の様子,その後始めた防災教育の取り組みについてお話しをいただきました. お話しの全てをお伝えしたいところですが,今回はその中から印象に残った2つのお話しを紹介します.

♢ まず1つめは”歌津中学校が防災教育を始めた経緯”についてです.
みなさんはもし,自分の住む町で大きな災害が起きて多くの人が亡くなってしまったり,家を失ったりしたら,その後もその町に住み続けたいと思いますか.
こんなに危険な場所にはもう住まなくてもいいのではないか,もしくはもう住みたくないと思う方もいると思います.私,田上もその1人でした.
震災後,公治先生は同じ質問を歌津中学校の生徒にしました.すると.9割以上の生徒が「このまちが好き」,8割以上の生徒が「このまちに住みたい」と答えたそうです. 今回の震災は大きな被害をもたらし,この地域は20年後,30年後にもまた津波がくるかもしれません.
公治先生は『それでもこのまちが好きでここに住みたいという子供達の思いは大事にしなければいけない.ならば,この子たちに防災教育を始めなければとなり,歌津中学校の防災訓練を始めました.』とこれまでに至る経緯を教えてくださいました.
「歌津中学校少年防災クラブ」は,2011年の11月という震災後まもない時期に発足されました.この土地で生きていく生徒のために,防災教育をいちはやく始めようと尽力された歌津中学校の先生方の思いを強く感じました.
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♢ 2つめは”防災教育と人助けの違い”についてです.
公治先生は私たちに,志津川高校から撮影された1つの映像を見せました.
その映像は真っ黒な津波が次々と町をのみ込む様子と,津波が目と鼻の先まで迫ってきている中,逃げ遅れた車椅子の方を助けようと津波に向かって走っている人を写した動画でした.
公治先生がこの動画を通して伝えたかったことは,防災教育をして「あなたは人を助けることができます」「傷病者の応急手当ができます」となったとしても, 「自分の身を危険にさらすことはあってはならない」ということです.
歌津中学校の防災の取り組みは,防災功労者内閣総理大臣表彰や「第17回防災まちづくり大賞」にて消防庁長官賞を受賞するなど高い評価を受けています. 訓練を通して生徒は,救急救命法訓練,応急処置法訓練,傷病者搬送訓練,がれき撤去訓練等を受け多くのスキルを身につけていきます.
しかし,それは決して「災害時にはあなたたちが助けなさい」ということではないと公治先生は強調されていました.歌津中学校の訓練は,いつか子供たちが大人になった時に役に立つようにという思いで行っているということが分かりました.
最後になりますが.お忙しい中私たちに貴重な講演をくださり,遅くまで私たちの質問に丁寧にお答えくださった公治先生に感謝申し上げます.



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