横浜市鶴見区の災害医療訓練を見学しました!
- 大和田 純平、薄井 慧
- 2018年1月21日
- 読了時間: 5分
こんにちは!2セメの薄井です。
大木先生と大木研のメンバーで、1月21日(日)に横浜市鶴見区の災害医療訓練を見学させていただきました。
この訓練は、東京湾北部が震源の首都直下型地震を想定し、鶴見区内のさまざまな施設で行われた大規模なものでした。

はじめに見学させていただいたのは、鶴見区の地域防災拠点である鶴見区立下末吉小学校で行われた避難所運営訓練です。
訓練開始時間になると地域の方々がグラウンドに続々と集まり、避難所に入るための受付をしていきました。
よく晴れていましたが、季節は真冬。グラウンドはとても寒かったです。

体育館の中では、消防の方々による講座が行われました。
身近なもので担架を作る方法やロープの結び方など、被災した時に役立つ技術がレクチャーされました。
こちらでは大木研のメンバーも参加させていただき、地域の方々と一緒に練習をしました!

講座が一通り終わると、校舎の裏で災害時用の仮設トイレの設置訓練が行われました。
下末吉小学校の災害用トイレは、下水直結式です(「マンホールトイレ」とも呼ばれています)。
あらかじめ地下に仮設トイレ用の下水管が整備されているので、災害時は、地上にあるマンホールを開けてその上に仮設トイレを設置します。
この形式の災害用トイレは、被災後速やかに設置できるのが特徴です。

自治会の方々が、実際に仮設トイレを設置しながら設置方法や使用上の注意などを説明してくださいました。
この形式のトイレは、設置方法を知っていれば10分足らずで設置することができます。
普段からこのような訓練に参加して設置方法を勉強しておくと、いざという時にとても役立ちます。
ここからは大和田が報告します!
末吉小学校での避難所運営訓練を見学した後、小学校と通りを挟んで向かいにある、済生会横浜市にて訓練を見学しました。
こちらでは災害時の傷病者受け入れ訓練が行われていました。
さて、傷病者受け入れ訓練の様子を報告する前に、「トリアージ」という単語について説明させていただきます!
災害時は病院も被災しています。医師・看護師・病院のスタッフといった人的資源や、医薬品といった物的資源といった医療資源が限られる状況となります。
医療資源と傷病者数との不均衡の中で、多数の傷病者を速やかな診療や搬送につなげるため、治療の優先順位ごとに傷病者を迅速に分類することを「トリアージ」といいます。
分類は治療の優先順に「赤・黄・緑・黒」となります。「赤(区分Ⅰ)」は救命処置を必要とするもの、「黄(区分Ⅱ)」は治療の遅延が生命危機に直接つながらないもの、「緑(区分Ⅲ)」は必ずしも専門医の治療を必要としないもの、「黒(区分0)」は、死亡しているもの・または心肺蘇生を施しても蘇生の可能性の低いもの、となります。
では、病院の様子について報告します!
まず病院の入り口では、トリアージエリアというトリアージを施す場所が設置されていました。ここで治療の優先度を決めていきます。救急車等でひっきりなしに運ばれてくる傷病者を次々とトリアージをしていました。(ちなみに傷病者役は地域の救命救急の専門学生が演じているようです。)

緑エリアは外に位置し、軽傷の傷病者が多いためか落ち着いていました。

入ってすぐの場所に黄エリアがあります。病院のロビーに並べられた簡易ベッドの上に黄色タグの傷病者が次々と運ばれていました。ある傷病者が自分より優先して治療されていく赤エリアの傷病者を見て、「なんで治療してくれないんだ」「早く治療してくれ」と訴えかける姿も見られました。

赤エリアは集中した医療が必要なためか一階の診療室が活用されていました。赤エリアは救命処置を必要とする傷病者が運ばれてくるため、最も迅速な対応が求められる場所です。医療従事者は機敏に動き、声を掛け合いながら治療を施していました。次々と赤タグの傷病者が運ばれてくるため、ここで安定化した傷病者は、上の階へ搬送されていました。被災の影響で電気が満足に使用できない想定だったため、階段を引きずりながら搬送できるタイプの担架を用いて人力で搬送していました。


黒エリアは一階の奥に位置していました。黒タグの傷病者の身元が判断できるように、その傷病者の持ち物が掲示されていました。黒エリアはすでに亡くなった・または蘇生の可能性が低い人が搬送されてくるため、黒タグとなった傷病者はその時点で生きていても処置されることはありません。黒タグをつけられた男性に付き添いで来た娘の方が、「なんで治療してくれないの、治療してください、お父さんが死んじゃう」と詰め寄る場面もありました。



二階には災害時の病院の本部や派遣されてきたDMATの受付がありました。病院内の各部署に指示を出しつつ、災害時優先電話や衛星電話を使って他の病院や行政と連絡をとり、状況確認や緊急搬送の要請を行っていました。

どの場所も慌ただしさと緊張感があり、身が引き締まる思いがしました。色んな所から聞こえてくる医療従事者同士の会話や、傷病者のうめき声、医療従事者に詰め寄る傷病者の家族の訴えは、まるで実際に被災した現場にいるようでした。黒エリアはその重々しさから、その場にいるだけでも辛く感じました。実際に被災するとさらに悲惨で、過酷な現場になることは間違いないでしょう。
今回の訓練を見学して、被災時は医療資源が限られていることを強く実感しました。現状では、赤タグや黄タグの傷病者に対して、病床数も資機材もスタッフ数も足りないでしょう。しかし、私達が防災教育の推進に努めることで、傷病者数を減らすことができるはずです。そうすればより多くの重傷の傷病者に医療資源が行き渡り、現状では処置する余裕のなかった人にも医療が提供され、厳しい現状を少しでも改善できるのではないでしょうか。防災教育は教育を受けた本人が助かることによって、傷病者の命も助けることができるのです。
今回の見学は被災した時に厳しい現実を目の当たりにしたともに、私達の研究や重要さの再確認、そして身を引き締める良い機会ともなりました。



This report highlights the importance of realistic disaster medical training and demonstrates the value of firsthand observation in Retro Bowl learning emergency response preparedness.
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